インタビュー取材
三重県にあるACN OKオートキャンプ場は、周りをぐるりと川に囲まれた空の広いキャンプ場。
場内に立つ木々は全てオーナーが植えたもの。ご自身の子育てによい環境を作りたいという想いを込めたキャンプ場です。
三重県伊賀に位置するOKオートキャンプ場は三重県内だけでなく、京都、大阪、名古屋、奈良などからもスムーズに来ることが出来ます。更にJR島ヶ原駅より徒歩10分という好立地。島ヶ原大橋を渡って堤防沿いに歩いてくると、空が圧倒的に広いキャンプ場に到着です。
入口にある管理棟は、景観を遮ることがなく、溶け込んだ平屋で懐かしさを感じる造り。
しかし空が広いっ!!
オーナーファミリー
ACN OKオートキャンプ場の永井オーナーファミリー。「家族みんなで協力してキャンプ場を運営しているのが本当に嬉しい」
とおっしゃる永井進オーナー。家族を大切に考えているオーナー達が創ってきたキャンプ場だからこそ、ファミリーキャンパーにとって安心できるキャンプ場になってきているのが伝わってきます。
まずキャンプ場をやろうと思ったキッカケ、ACN OKオートキャンプ場の始まりについてお伺いしました。
大学時代のユースホステル部でキャンプをすることが多くキャンプの魅力に取りつかれました。また、社会人になってからも山登り好きな友達がいて一緒によくキャンプをしていました。下の子が生まれて、1歳になったころから父親の仕事場(現在のOKオートキャンプ場)でキャンプをよくするようになりました。この土地は砂浜があり、川に面しているため、キャンプ場に適していたんです。
当時オートキャンプ場というのが三重県でも出来始めていました。車をテントサイトに横付けできるオートキャンプのスタイルであれば、子連れでも気軽にキャンプが出来ると思い、家族でオートキャンプをしていました。そうしてるうちに「キャンプ場をしてみたい」という夢がだんだん膨れ上がっていき、父親が背中を押してくれたのもあってキャンプ場をする決心をしました。
オープンした当初は少しずつ手作りで整備していたのでテントサイトでお客さんと一緒にキャンプしながら、どんなキャンプ場にしようかと話していったのを覚えています。
永井さん
はじめはどうしていいかわからないことばかりでしたが、日本オートキャンプ協会に相談してアウトドアイベントに出展することにしたんです。手作りのチラシを自分たちでコピーしてそのイベントで配りました。子供たちには忍者の恰好させて(笑)。手書きの模造紙にOKオートキャンプ場と書いてチラシを手配りするところからスタートです。少し異様なブースになっていたと思いますよ(笑)
奥様の美佳さん
長女の亜津美さん
長男の克さん(2代目)
「OKオートキャンプ場」の由来
OKオートキャンプ場という名前は、場内にお馬さんがいることに関係しています。実は永井オーナー、45年前から馬を飼っていて、西部劇「OK牧場の決闘」というところから取っています。
『馬のいるキャンプ場』ということから考えました。高校生くらいから馬を飼っているんです。現在いる馬はキャンプ場を始めてから3頭目、トータル8頭目ですね。
永井さん
本当に馬が身近にいた永井オーナー、OKオートキャンプ場では馬とのふれあいタイムでエサやり体験もできます。
オーナーが植えてきた木々は500本を超える
ACN OKオートキャンプ場の空から見ると、各区画サイトが綺麗に植木で区切られているのがわかります。テントサイトは大体100㎡前後あり、手づくりなので形は様々です。平坦なので2区画で利用するキャンパーさんも多いとのこと。
実はOKオートキャンプ場の魅力の一つにこの「植木」があります。もともとこの土地には木がなく、1本1本オーナーが植えてきたものなんです。合計500本は超えるというその木々一本一本にオーナーの想いが詰まっています。
キャンプ場に初めて到着してから感じることは、おそらく拓けた景色の素晴らしさではないでしょうか。けれども、一本一本の木々を良く見てみると、本当に丁寧に育ててきているのを見てとれます。
すべて自分たちで植えてきました。木を買ってきてどんどん植えて、とにかく木を大事にしています。というのも、木のそばにいると、”人のありかた”というんですかね、”穏やかに談笑している姿”というのが人の本来の姿ではないかという気がするんです。キャンプしている人たちを見ても、木のそばに椅子をおいて、ワインを飲んだり、静かに過ごすキャンパーさんが増えてきています。
永井さん
OKオートキャンプ場に来られるキャンパーさんのマナーが良いのも、なんとなくそういったところからきている気もします。掃除していてもお礼を言われたり、とても礼儀正しい素敵なキャンパーさんばかりです。
永井さん
10月頃に少し紅葉してくる木々は、周りの山々の紅葉とは違った味わいが楽しめそうです。ちなみに川沿いサイトには桜が植えられているので、お花見キャンプなんていう楽しみ方もできます。
キャンプ場は見通しが良く、伊賀特有の山々を見ることが出来ます。木が手ごろなサイズでどこか安心して過ごすことが出来るのではないでしょうか。
永井さん
「OK牧場」馬とのふれあいタイム
キャンプ場の名前の由来にもなっているお馬さん♪今いるのはジュリーちゃんで、現在17歳(2017年)。
一番落ち着いている年頃らしく、初めて乗馬体験するには一番良い歳だそうです。
父親が乗馬クラブをやっていたときから馬を飼っています。乗馬でなくてもエサ上げを楽しむキャンパーさんも沢山いらっしゃいます。子供にも慣れてきているので、安心して触れ合うことが出来ますよ。
永井さん
季節によって乗馬のタイミングなどが決まっているので、事前に確認するようにしましょう。
OKオートキャンプ場 トイレ棟
OKオートキャンプ場受付棟の裏側にある綺麗なトイレ棟。
場内数か所にあるどのトイレも水洗ですが、中でも最近新しく建てられたトイレ棟は、その綺麗さに驚かされます。
子供連れキャンパーさんにうれしいのが、女性用の広い個室トイレ。
また、場内にはシャワー室もあり、子供と一緒に入れる広さのものもあります。広場でいっぱい遊んだ後にシャワー浴びることが出来るのはありがたい限り。
OKオートキャンプ場のバンガロー
OKオートキャンプ場にはバンガローもあります。初めてのキャンプにバンガローを選ぶファミリーも増えてきています♪
OKオートキャンプ場のバンガローの特徴は、テラス部分に地面との段差がないこと♪オートキャンプの雰囲気を楽しめます。屋根もついているので、天気の心配もありません。またバンガローは並んでいてテントサイトにも隣接しているので、併用しやすくなっています。
室内は畳の広さで、照明、AC電源、エアコン、キャンプ用マット(120cm x 200cm x 9mm)が3枚付いています。
開放感のある炊事棟
OKオートキャンプ場の炊事棟は開放感ある広い造り。
流し台だけでなく、ちょっとしたときに役立つテーブルも便利。ハイシーズンにこれだけのスペースがあると、本当に助かります。
更に力を入れて焚火台を洗えるよう、地面に直接洗い場があり、これも大変助かります。
受付棟のすぐ近くの炊事場併設のクラフト室には、ランドリーもあり、長期間のキャンプもOKです。
子育てを考えて創られたキャンプ場
OKオートキャンプ場にはいくつか‟子育て”を考えて創られているものがあります。その一つがキャンプ場の真ん中あたりに位置する広場。「育児のできるキャンプ場」という永井オーナーの想いから、とても広いスペースが確保されています。
広場があるので、子供同士や他のキャンパーさん同士で仲良くなっていく姿を良く見ます。家族が楽しめるところということをベースにキャンプ場を作ってきているので、子育てにはもってこいではないでしょうか。
永井さん
川遊び
キャンプ場をぐるっと囲むように流れる木津川は、深いところもある為、遊泳が禁止されていますが、広い砂浜が広がり、遊び方は様々。釣りはもちろん、砂浜で寝そべってのんびりする、散歩を楽しむなど、OKオートキャンプ場の人気スポットの一つです。
スポーツ広場
広場とは別にバレーボールなどを楽しむことが出来るコートもあります。
ここでもキャンパーさん同士のつながりが生まれます。
レンタサイクル
自転車レンタルは、小さいお子さんが自転車練習に使うというキャンパーさんが増えてきています。
クラフト教室
クラフト教室。これは河原で拾った石に自由に絵を描くストーンペイントというもの。全く答えがなく、石の形から自由に発想していくのは、子供の想像力を高めてくれますね!ちなみにアクリル絵の具を使っているため、10年経っても絵は消えません!
「特に子供にありがとう!と言われるのが一番うれしい」
家族と一緒にキャンプ場をやってこれていることがまず嬉しいと感じています。これまで木を増やしてきて初めは忙しかったけど、今は孫とも一緒にキャンプ場で過ごすことが出来ますので、20年前に描いていた絵が実現し始めています。
永井さん
『馬のおっちゃんありがとう』という手紙を子供にもらったり、『馬のおっちゃん!』と町で声をかけられたりするのも本当に嬉しいですね!馬に乗らなくてもエサあげなどするからここに来たお子さんたちには『馬のおっちゃん』で通っています。特にお子さんたちにありがとう!と言われたときが一番うれしいです。
更にお客さん同士が仲良くなっていくのを見ると、自分たちがつくったキャンプ場でそういう繋がりができているんだなとやっていてよかったという実感があります。
永井さん
『今来て下さっているキャンパーさん達が楽しんで下さっている』それが続くキャンプ場にしていきたいと思っています。チェックアウトの時に次の予約を入れてくれる人が多いのも嬉しいですね。今はまだ継ぐのに精一杯ですが、今後は、気軽に楽しんで頂けるイベントなどを充実させていきたいですね!
克さん
お客さんがそこに何年も住んでいるかの如く我が家のようにまったりしているのを見るのが好きです。トイレも家のように使ってもらえるように、と考えています。
これまで怪我もなく、トラブルもなく、適度な緊張感も、リラックスもありというバランスの良さがここの魅力だと思います。キャンパーさんに感謝されるのは、逆に感謝ですよね!
美佳さん
『ホームグラウンド』と言ってくれるキャンパーさんがいるのが嬉しいです。またお客さんと会話することが好きです。お客さんと子育てのことを話せたり、子供同士が仲良くなったり、一母親として話せるのが楽しいですね。
亜津美さん
毎週来てくれる人もいるくらいリピーターの方が多くいらっしゃいます。そういったキャンパーさんが紹介してくれることも増えてきているので、本当ありがたい限りです。以前『夜中うるさい人がいて困った』といって帰るキャンパーさんがいた時にとても残念な想いをしたことがあります。それ以降は更にキッチリとマナーのお願いをするようにしました。キャンパーさんたちの協力のおかげもあり、今は『静かでよかった』というキャンパーさんがほとんどです。自分たちがつくってきたキャンプ場で素敵なキャンパーさんが楽しそうにキャンプをして頂いているのを見ているとこちらも楽しい気分になります。
永井さん
取材後記
キャンプ場についたときにまず感じたのが空の広さでした。これまであまり感じたことのない開放感がOKオートキャンプ場の魅力の一つです。永井オーナーがおっしゃっていた「馬に意地悪にすること、木を粗末にすることは一緒で、どちらも一旦傷つくと、生き物なので一生残る」というお話がありました。どこか木々に優しさを感じるのは、永井オーナー達が「家族」として育ててきているからだということが伝わってきます。
本来サイトにしてしまえば収益が上がる広場も、家族連れのキャンパーさんたちが思い思いの過ごし方や‟子育て”が出来るようにという想いの現れ。いたるところでオーナーファミリーの優しさを感じることが出来るキャンプ場でした♪
取材:2017年7月