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榛名湖オートキャンプ場|インタビュー

インタビュー取材

群馬県、伊香保温泉を抜け、県立公園の中に広がる榛名湖オートキャンプ場。近くに温泉施設があるだけでなく、榛名湖、榛名神社など、見どころもたくさん。そして季節によって変わる木々の表情を楽しめるのも榛名湖オートキャンプ場の大きな魅力です。

榛名湖オートキャンプ場

キャンプ場が位置するのは標高約1140mなので夏場でも朝方は寒いくらい涼しく過ごすことが出来ます。キャンプ場の営業期間である4月半ば~11月末は雪が積もることもありません。

撮影に伺ったのは5月後半。キャンプ場へ続く両脇の真っ赤なツツジが迎えてくれます。このツツジの道を観るためだけに来る人たちがいるほどの美しさで、思わず声が出ます。この季節にキャンプ場に来た際には、テント設営後に道路を渡った反対側の散歩コースへぜひ足を運んでみてください。

榛名湖オートキャンプ場

「自転車での日本一周から」

キャンプ場のストーリーと魅力を教えてくださったのは、榛名湖オートキャンプ場代表の黛(まゆずみ)さん。若いころからアウトドアと慣れ親しんだ経験を基に、安心できるキャンプ場の環境を維持、提供してくれています。

榛名湖オートキャンプ場

若いころ青森県で仕事をしていたことがあり、その時に自転車で日本一周している人の話を聞く機会がありました。休みのたびに色々行きたいと思っていたこともあり、全国を周れる仕様の自転車を思い切って購入しました。そのときの仕事を辞めてから約1年半かけて自転車で47都道府県を周る旅に出たんです。週に1度くらいはユースホステルに泊まっていましたが、ほとんどテント泊。東西南北の端を島を含めてすべて行ってみましたね。キャンプというか野宿に近い形がほとんどだったと思いますが、キャンプをたくさんするようになったのはこのころですかね。黛さん

榛名湖オートキャンプ場

地元に帰ってきてからは、出版関係の仕事などをしていたのですが、そのときの仲間とキャンプに行ったり、群馬県ユースホステル協会のイベントのお手伝いを行うようになって、いろいろなアウトドア経験を重ねました。沢登りしながら魚を捕まえて数日生活するようなサバイバルをやってみたり、雪の中で数日生活してみたり、本当に色々やってましたね。そんな中、利根川を東京の木場までイカダで下っていくというイベントの話があり、任意団体として『アドベンチャー集団Do!』という組織を立ち上げて、よりアウトドアを広げていく活動を多くするようになりました。実際イカダで東京まで行ったんですよ!(笑)
そのような活動を今度は子どもたちにも経験してもらいたいと思い、”ガキ大将・スクール”という自然学校を作りました。初年度は25名程度でしたが、3年後には参加者が1000人を超えちゃって(汗)。黛さん

榛名湖オートキャンプ場

2005年ころに榛名湖オートキャンプ場を管理していた開発公社が解散することになり、私のところに運営・管理の依頼が入ってきました。アウトドアスクールをやっていましたし、キャンプに関して身近だったので、『榛名湖オートキャンプ場を元気にしてほしい』というメッセージとして受け止めて運営・管理をスタートしました。
まず最初にレンタル品などをすべてリニューアルして、コールマンとユニフレームで全部揃えて、統一感を出し、お客さまが気持ちよく過ごせるようにすることから始めました。黛さん

綺麗に並んだレンタル品だけでなく、キャンプで必要になる役立ちアイテムも管理棟では売られています。
また管理棟にあるランドリーは、特に乾燥機がガスなので乾くまでの時間が早く、キャンパーさんたちに大変喜ばれています。しかも無料なので連泊されるキャンパーさんにとってはとってもありがたいサービスです。

榛名湖オートキャンプ場 ランドリー

「森の中にキャンプ場がお邪魔している」

榛名湖オートキャンプ場

本当にここの魅力の一番は自然が豊富であることだと思います。県立公園内にありますので、周りには森しかありませんし、『森の中にキャンプ場がお邪魔している』という感じですかね。季節の移ろいを感じることも出来ますし、キャンプ場敷地内にはタヌキやキツネが住んでいます。夕食時にタヌキがサイトにやってきたといってとても喜んで帰っていった親子キャンパーさんもいましたね。黛さん

野鳥は何種類くらいいるのでしょうか?

榛名湖オートキャンプ場

榛名湖一帯の調査が行われたことがあるんですが、榛名湖全体でもオートキャンプ場周りが野鳥の種類が一番多かったそうです。少し地面が見えるくらいの方が野鳥は生息しやすいみたいですね。ここにいると遠くから「ケーンケーン」と高い声で鳴くキジの声が聞こえたり、ウグイス、キツツキのドラミングはしょっちゅう聞こえます。アカゲラ、コゲラ、アオゲラ、コノハズク、アオバズク、ドバト(山鳩)、お腹がオレンジ色のアカハラ、キセキレイ、シジュウカラ、メジロ、ツグミ、トラツグミもいます。冬場には羽の色が鮮やかなカケスなどを観ることもあり、挙げるとキリがないですね。黛さん

インタビュー、撮影をしている間中、木々を流れる風の音、鳥の鳴き声が響きわたるとても気持ち良い空間に包まれました。

「自分の時間をたっぷりと味わってもらいたい」

榛名湖オートキャンプ場

春のツツジだけでなく、木々や草花も季節によって魅力がたくさんあります。ある意味、榛名湖オートキャンプ場は”自然しかない”ところです。自然の中に浸かれる時間が豊富にあるので、キャンパーさんたちには自分時間を思うように過ごしてもらいたいですね。特にファミリーの方には、子どもと一緒になって焚火をしたり、散策をして、ゆっくりと自然を感じることが出来る素敵な時間になると思います。黛さん

榛名湖オートキャンプ場

榛名湖オートキャンプ場 サイト、設備紹介

森に包まれる区画サイト

榛名湖オートキャンプ場区画サイト

榛名湖オートキャンプ場のテントサイトはAC電源付き区画サイト・AC電源なし区画サイト・フリーテントサイトと大きく3種類に分かれます。

榛名湖オートキャンプ場

区画サイトは基本的に約10m×10mと広くとってありますが、周りの木々を見渡すと数字以上のゆとりを感じることが出来ます。さらに区画によっては大型キャンピングカーやトレーラーも大丈夫なので、キャンピングカーオーナーは要チェックです!

榛名湖オートキャンプ場

フリーサイトは自分で好きな場所にテントを張ることが出来ます。サニタリー棟も近いので便利。

テラス・BBQスペースも広々なバンガロー

榛名湖オートキャンプ場

榛名湖オートキャンプ場のバンガローはスロープ付きタイプも合わせて全部で6棟あります。室内は大人4名まで泊まれる6畳サイズでコンセントも2口あります。天井も高く上部に窓がついてるので明るく圧迫感を感じることはありません。

榛名湖オートキャンプ場

建物前部分はテーブルとベンチが準備され、ここから眺める場内の景色にうっとりします。
バーベキュースペースも広く、広いバンガローエリアに6棟あると考えると、まるで別荘に来たような気持になれますよ。

榛名湖オートキャンプ場

炊事棟・トイレ

榛名湖オートキャンプ場

女性目線と小さい子どもがいるファミリーの価値観、視点を大切にしています。榛名湖オートキャンプ場のスタッフの多くは子どもがおり、キャンプ場を始めたころは赤ちゃんを連れてきていた仲間たちです。なので子育てされているキャンパーさんの立場が分かりますし、そもそも私たち自身もキャンプをしますので、それをキャンプ場に活かしています。トイレのおむつ替え台や炊事場の温水、トイレの除菌クリーナーや子ども用便座もそういった視点から設置することになったものです。ランドリーサービスのガス乾燥機もそうですね
黛さん

榛名湖オートキャンプ場トイレ

中央広場と森に溶け込む遊具たち

榛名湖オートキャンプ場遊具

榛名湖オートキャンプ場の過ごし方は、思い思いのゆったりとした時間を過ごすこと。そのため、ジップライン、モンキーブリッジ、ハイジブランコ、ターザンロープといった遊具は、基本的に木々の匂いを感じられる場所に設置され、榛名湖の魅力を阻害することなく楽しめるようになっています。
また、子どもたちが思いっきり走り回れる広場もあり、子どもたちは自分たちで遊び方を見つけるスタイルです。

榛名湖オートキャンプ場遊具

「それぞれの楽しみ方、ゆっくりできる環境を守っていきたい」

グループで大騒ぎするためのキャンプ場ではなく、これからもこの静かな環境をしっかりと守って、それぞれのファミリーがそれぞれの時間を自分なりに楽しめる、それぞれの過ごし方を楽しめる、そういった場を提供し続けていきたいですね。『自分の世界を創り出せるキャンプ場』というんですかね、そんなキャンプ場にしていきたいと思っています。
黛さん

榛名湖オートキャンプ場

今まで自然体験事業をやってきた経験などを活かせて、お客さんに喜んでもらえているのは嬉しいですね。キツツキが突っついた穴や、朽ちかけた木の中から出てきた虫を一緒に探したり、ミズナラの樹液は実は甘いということを教えてあげたり、お客さんとそういったことを共有していけます。
あと、より安心して過ごして頂けるように、私含めてスタッフ全員で救急救護のライセンスを取得し、2年に一度の講習を受けて更新し続けています。やはり山の中なのでいざという時に我々である程度の救護が出来ないといけないと思っていますし、このライセンスとトレーニングを受けてきているおかげで大事に至らずに済んだこともありました。
そういった結果として、リピーターさんが増えてきているのはやっぱり嬉しいし、やりがいにもなってますね。気に入ってくれた証ですから。黛さん

榛名湖オートキャンプ場景色

取材後記
とにかく「気持ち良い」の一言に尽きるキャンプ場です。県立公園の中にあるというだけあって、風に揺れる葉の音に癒され、鳥のさえずりに癒され、とにかく気持ち良くて何度も深呼吸してしまいます。インタビューの中にあった「森にキャンプ場がお邪魔している」という表現は本当にぴったりの表現だと感じます。
また、安全管理体制も本当に力を入れているのが今回の取材で伝わってきました。
流行りのブームに乗るのではなく、キャンプ自体を心から楽しめる、そんなキャンプ場の一つでした。

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