インタビュー取材
ACNオートリゾートパーク・ビッグランドは山梨県北杜市は南アルプス甲斐駒ケ岳のふもと、「名水の里」に位置しています。キャンプ場に着いて車を下りると澄んだ空気と木々の香りに驚きます。そして木々を抜ける優しい風と鳥の声以外聞こえない空間に息をのみます(^^♪
ビッグランドは松林と新緑と紅葉が魅力の雑木林の2種類の林間キャンプ場からなり、他ではあまり見ることが出来ない林間キャンプを楽しむことが出来ます。またトレーラーハウスを始め、宿泊施設も充実していて、初心者のファミリーキャンパーにも優しい体制が整っています。
2種類の林から成る林間キャンプ場
ACNオートリゾートパーク・ビッグランド、進藤修次オーナーと奥さま。いつ行ってもとても素敵な笑顔で出迎えてくれます。この笑顔を見たくてリピートしているキャンパーさんも沢山いるのではないでしょうか?♪
1994年3月オープンのACNオートリゾートパーク・ビッグランドは今年で23年。まずは創業の経緯を教えていただきました。
10数年損保マンとしてサラリーマンをしていました。昔から何か自分で事業をしたいと思っていたんですが、きっかけはとても小さいことでした。そもそもキャンプを始めたきっかけが、『ポパイ』という雑誌で、アメリカのキャンプ特集を見て単にカッコイイと思ったところからなんです。ガソリンランタンを買って、西湖とかでよくキャンプしてましたね。まだキャンプブームになっていないころで、当時ガソリンランタンなんてほとんどなくて灯油ランタンしかない時代でしたから、周りの方々が「なんだその明るいのは!?」って寄ってきたという想い出があります。そんなところからキャンプにハマって、自分で何か事業しようと思った時に、やっぱりキャンプが好きだったということで、スタートしたのがこのキャンプ場です。進藤さん
進藤オーナーはアメリカ、ニュージーランド、オーストラリア、ヨーロッパなど、海外でもキャンプをされています。空港からキャンピングカーをレンタルして周るそうで、少し海外のキャンプ状況も教えていただきました。
海外は土地が広いので隣のサイトと遠く離れているかと思って居ましたが、日本のキャンプ場と変わりませんでした(笑)
進藤さん
南半球は日本とシーズンが反対なので、日本のオフシーズンに行くのがお勧めだそう。
ビッグランドの由来
第一次キャンプブームよりも前からキャンプをしてきた進藤オーナー。『ACNオートリゾートパーク・ビッグランド』の名前の由来も聞いてみました。
特にないなあ。なんとなくだなあ(笑)。他のオーナーさんみたいに立派な由来があるわけでもないんだなあ(笑)ただ、場所を決めた理由はあります。山梨に地縁がありました。紹介受けるなどして、一年くらい探して、近くに清流があるのが決め手でした。あとは、星空が綺麗で、湿度低いので夏も気持ちよいというのが気に入ったポイントですね。原野から自分も加わって開拓しましたよ!
進藤さん
アカマツがランダムに残る林間サイト
ACNオートリゾートパーク・ビッグランドの最大の特徴の一つ、松林。松の木がランダムに立っていて、奥に吸い込まれる雰囲気は言葉に表すことが出来ません。
松の木は多少間引いてますが、基本的に自然のままです。サイト区画内に松があることの不便さもあると思いますが、キャンパーさんたちにはハンモックをかけたり、タープを張るのにロープを使って空間を広げたり、うまく使ってもらっています。それぞれみなさん色々利用されていますよ。あとは松が元のまま残っているお陰で夏でも木陰があって本当涼しく過ごせます。
進藤さん
※木にロープを括り付ける際にはタオルなどを噛ませてダメージを与えないようにしましょう。
季節ごとの「色」を楽しめるサイト
全く違う表情を見せてくれるもう一つの林間サイト。こちらは季節ごとに色を変える雑木林で、こちらのサイトも指定して来る方も多いようです。特に新緑の季節の「色」は最高っ。ふわふわした新緑の軟らかさが全方位に広がり、林間サイトの魅力を最大限味わうことが出来るのがうれしい。
松林サイトもそうですが、地面が砂地になっているのもありがたい限り。これのおかげで雨の時でもあっという間に水がはけ、カラっとしているので、泥などでテントが汚れることもなく、大いに助かります。
トレーラーハウス、ログキャビン、プチキャンピングカー
ACNオートリゾートパーク・ビッグランドには様々な宿泊施設も用意されています。木々の下でテントを張るのも魅力的ですが、トレーラーハウス、ログキャビンなども違った雰囲気を経験できます。
他で全く経験できないキャンプスタイルというのもこのトレーラーハウスの魅力だと思います。
進藤さん
サイズの異なったトレーラーハウスがいくつかあり、各トレーラハウスについている‟日よけ”は出し入れすることもでき、雨の際にも役立ちます。またテーブルと椅子も準備されているので、食事やBBQはすべて屋外で行います。やっぱり外で味わいたいですよね(*^-^*)
29フィート,35フィートの米国製のトレーラーハウスは、内装も異なります。中に一歩踏み入れるとそこはまるでホテルの様!海外に旅行に来ている気分にもなります。もちろんトイレ、キッチンシンク、食器、洗面もついていて、一通り生活に必要なものは揃っているグランピングのような豪華さです。
ACNオートリゾートパーク・ビッグランドのログキャビンは、デッキ付き、デッキなしの2種類。デッキありの方はテーブル、椅子も準備されていて、天気を気にせずゆっくり過ごすことが出来ます。ログキャビンの中もとっても綺麗。
シンプルでありながら、何かワクワクと静けさのバランスの取れた最高の空間です。冷蔵庫と扇風機があるのが嬉しい♪
ログキャビンの良いところって、小さいころのワクワクが詰まっているところだと、個人的には思います。
小さな気遣いの隠れる炊事場
ACNオートリゾートパーク・ビッグランドの炊事場は、進藤オーナーの優しさ、気遣いがうかがえます。
まず周りを囲う壁がないこと。子供が食器を洗いに行ったりしても、外から様子を見ることが出来ます♪また壁がないことで、実際洗っていても自然を楽しむことが出来ます。
そしてこの炊事場にはお湯が出ます☆オープン当初の23年前からの設備だそうですが、当時はお湯の出るキャンプ場なんてどこにもなかったそうです。
また柱には鏡がついていて、ちょっとしたときにこれが助かるんです♪炭のついた手で少し顔を触ってしまうことってキャンプあるあるですよね。何の気なしに汚れてしまったのをここでチェックです。そして何より清潔感があります。
お風呂とトイレ
車で少し走れば温泉施設もあったりしますが、キャンプ場でのんびり出来るし、お酒も飲めますし、やっぱりキャンプ場内にお風呂があるのは助かります!綺麗な内風呂で、お湯が循環されて常に清潔です。
またトイレも綺麗でウォシュレットもついています。トイレの清潔感もキャンプ場選びの重要なポイントかもしれません。
その他設備とアクティビティ
マウンテンバイクレンタル
マウンテンバイクのレンタル。周辺の山々を見ながらのサイクリングは最高です。
コインランドリー
コインランドリーもあり、こちらも連泊キャンパーさんにとってはありがたい設備♪ガスの乾燥機は「早く乾く」と好評だそうです。
AC電源
AC電源付きテントサイトもあります。キャンプ場の景観を壊すことなく溶け込んでます。
子どもに大人気 オーナー自作のアクティビティ
ACNオートリゾートパーク・ビッグランドはファミリーキャンパーが多く、子供たちが楽しめる遊び場もあります。こちらの二つはオーナー自作。ターザンは大人もやってみたいと思いますが、一応安全のため子供専用です。。
川遊び
キャンプ場すぐそばにある清流での川遊びも子供たちに大人気。びっくりするくらいの透明度です。水中メガネで潜って魚を追いかけたり、浮わやボートを浮かべたり1日中遊んでいるそうです!夏思いっきり楽しんだ川遊びは最高の想い出になるでしょう。
「世代をまたいでここに来てくださるキャンパーさんの流れが見れるのも嬉しい」
ありきたりですが『楽しかった』『また来ます』という言葉を頂いたときは本当に嬉しいですよね。このキャンプ場がオープン準備の時からする前から来てくれているリピーターさんもいらっしゃいます。年に数回友達を連れてきてくれるリピーターさんもいらっしゃいます。何度も来てくれると本当に気持ちよく過ごすことが出来たんだなって実感を持ててありがたいですね。
進藤さん
キャンプ場やっててよかったポイントについてもお伺いすると、これまでで最高の笑顔で答えてくれました♪
さらにリピーターさんが多い理由について聞いてみました。
マナーが良いキャンパーさんが多いというのも理由かも。グループがダメというわけではないですが、混みあう時はお断りすることもあります。消灯の時間もしっかりアナウンスしていますので騒ぐ方は少ないですね。後、スタッフが本当に頑張ってくれているので、綺麗というのもリピートされる理由じゃないでしょうか。後は環境かな。水も美味しいですし、周辺に観光するところも多い。またカブトムシやクワガタも多いところとして知られています。カラッとしていて過ごしやすく、夏なんて特に木が多いので涼しく過ごせますよね
進藤さん
色々とお話を伺っている中で印象に残ったエピソードなどもお話頂きました。
しばらくキャンプ場には来れていなかったのですが、小さいころよくリピートされていたキャンパーさん(娘さん)の結婚が決まり、娘さんの想い出に残っている場所として「ビッグランド」を挙げられたそうなんです。そこからある生命保険会社のCMをサプライズで撮ることになったんです。娘さんの想い出に残っているビッグランドから、裏の清流まで想い出の写真パネルを準備して、そこに娘さんの友達に集まってお祝いするという。本当に感動する流れでした。子供の頃からきてくれているキャンパーさんが大きくなって、新しい家族と一緒にくるということもあります。そんな流れが何よりうれしいかもしれませんね。
進藤さん
取材後記
少人数でも子供が喜びそうな工作教室をやっていますが、今後は子供が喜ぶイベントを増やしていきたいという進藤オーナー。リピートされているキャンパーさんのお子さんたちが自分の子供のような雰囲気を感じます。取材中もリピートキャンパーさんのお子さんたちが母の日のプレゼントを持って管理棟に来たりという微笑ましいシーンもありました。
キャンプ場は高規格キャンプ場と自然そのままのところと大きく分けて二極化してきています。そんな中、ACNオートリゾートパーク・ビッグランドは見えないところに便利さが隠れていて、それでいて自然そのままを残す形をとっています。アカ松の木がサイト区画内に立っているというのは、実は邪魔なようで便利で、自然そのままを最大限近くで感じることが出来るんです。キャンプは不便さを工夫して楽しむもの。そのバランスが取れるのも、オーナーさんご夫婦の、スタッフやキャンパーさんたちへの気遣いから来ているのかなと思いました。
取材:2017年5月