教育的観点から注目されてきているキャンプとは?
~僕は東京生まれ、キャンプ育ち~
キャンプはもちろん大人のレジャーに限りません。
子供をキャンプに連れて行き、自然体験を積ませることもまた、キャンプの大きな存在意義であります。子供にキャンプを体験させるとどんな効果があるのか、見ていきましょう。
実は自然体験の教育効果については、旧文部省、文部科学省を始め、大学などから報告書や論文が出されています。キャンプは自然体験の1カテゴリであり、国が予算をつけて、キャンプの価値の科学的解明に取り組んでいるといっても過言ではありません。
具体的キャンプの教育的効果は?
旧文部省の『青少年の野外教育の充実について』によると、自然体験には以下のような効果があるとされています。
ア,感性や知的好奇心を育む
イ,自然の理解を深める
ウ,創造性や向上心,物を大切にする心を育てる
エ,生きぬくための力を育てる
オ,自主性や協調性,社会性を育てる
カ,直接体験から学ぶ(注・対象となる実物に実際に関わっていく体験のこと)
キ,自己を発見し,余暇活動の楽しみ方を学ぶ
ク,心身をリフレッシュし,健康・体力を維持増進する
また、自然体験活動を多くしている青少年の特徴が中央教育審議会の『「自然体験活動」の成果と意義』に挙げられており、
・課題解決能力や豊かな人間性など、「生きる力」がある
・体力に自信がある
・環境問題に関心がある
・得意な教科の数が多い
といった調査結果があるようです。
他にも、国立青少年教育振興機構の『キャンプが子どもの大脳活動と「生きる力」に及ぼす影響』によると、前頭葉の機能も活性化する可能性があるとのこと。
いずれにしても、自然の中で活動し、日常触れることのない物事と接触したり、制約の中で苦労したり、他人との協力を通じて、新たな自分を発見するとともに、体力や脳の発達にも寄与する可能性することは、キャンパーさんなら容易に想像できることと思います。
家族キャンプに関する意識調査
実際にキャンプへ行った方はどのように感じているのでしょうか。coleman社の『家族キャンプに関する意識調査』レポートにて、家族キャンプにおける子供の成長についての項目があります。(http://www.coleman.co.jp/features/familycamp/enquete.html)そこでは、
「幼稚園等では、学べない体験ができた」
「思ったよりもたくましくなっていて驚いた」
「協力してやることの大切さを子供が学んだ」
などの声があり、家族キャンプ経験者264名のうち77%が成長を実感されています。
多くの方が、キャンプの教育効果を体験されているということですね。
一方、23%の方は「特に変化は感じない」という意見を持っており、単にキャンプに連れて行けば子供が成長する、という単純なものではないようです。向き不向きもあるでしょうし、場合によっては周囲のサポートや知識が不足していたことも原因かもしれません。
これを見てくださった方々は、子供を連れ、キャンプという名の「教育」「勉強」の場に出かけるのでしょうか?多くの方の答えは否と思います。キャンプを楽しみ、興味を持つ中で、自発的にお手伝いをしたり、好奇心をもって行動したりする過程で、多くを学んでいくものでしょう。もちろん、辛く、楽しくない経験もあります。そうした種々の体験から学ばせることを大人がサポートしてあげたいですね。マナーと安全には十分に気をつけて、素敵な「教育的キャンプライフ」を!