長瀞オートキャンプ場｜インタビュー

インタビュー取材

川下りなどのアクティビティが人気の自然豊かな観光地、埼玉県長瀞町にある長瀞オートキャンプ場は、関越道の花園インターから20分ほどの好立地。高速から降りてあっという間に着いてしまうのに、気付いたら自然のど真ん中にいるという不思議な感覚。

入口にはスタッフがいてくれて、明るく気持ちよく挨拶されたところからの取材スタートです。

※長瀞オートキャンプ場は、2019年台風19号の影響で大きな被害を受けました。写真、内容が現状と変わっているところがありますので、最新状況はオリジナルホームページをご確認ください。

長瀞オートキャンプ場の歴史はなんと50年！！

長瀞オートキャンプ場のオーナー伊藤文子さん。女性オーナーならではのキャンプ場の魅力、そして多くの仲間たちに支えられてきたストーリーを伺いました。

このキャンプ場を立ち上げたのは主人の父になります。色々事業展開をしてきた中でキャンプ場を立ち上げて、少しずつ進めてきたのが始まりで、もう50年ほど経ちます。まだ‟オートキャンプ場”という概念がない時から車で来られるキャンプ場を始めたんです。その義父が怪我をして、義母がここを運営するようになりました。私自身は15年ほど前からこっちに関わるようになって、オーナーになって4，5年ほどになりますかね。
伊藤さん

もともとキャンプ好きだったんですか？

学生の頃よく登山をしていました。なのでどちらかというと山キャンプですね。三角テントを背負って。食べ物、ごみを残していけない、1週間お風呂入れないのは当たり前なキャンプスタイルです(笑)。主人と出会ってから、主人の仲間と所謂グルキャンをするようになりました。当時水さえ準備すれば炊事が出来るシンク付きキッチンセットを持っているのは主人だけで、今思えばグッズ自慢とかして盛り上がっていましたね(笑)長野、山梨、軽井沢など結構行ってました。
伊藤さん

イベントなどでも人気の長瀞オートキャンプ場。今年（2017年11月）で3回目となるPair Festa!だけでなく、ガールズキャンプイベントなども注目です。

『Pair Festa!』をやるようになったところからだいぶ変わってきたと思います。初めは自分たちで作り上げるキャンプフェスをやろうというところから始まったものです。ありがたいことにキャンプコーディネーターのこいしゆうかさんなどもサポートしてくれて、初回なのに約1000人も集まったんです。あまりに大変過ぎて、2回目をやる自信をもてず。。。(笑)けど他のイベントもぼちぼちやるようになって少しずつここの魅力が伝わってきたんだと思います。
伊藤さん

長瀞の自然

長瀞オートキャンプ場の目の前には荒川が流れ、長瀞独特の岩と合わせて景色を楽しむことが出来ます。
長瀞はカヌー、カヤック、ラフティング、川下りとウォーターアクティビティが充実しているだけでなく、長瀞紅葉まつりなど季節に合わせた楽しみもたくさんあります。

女性オーナーならではの気遣いと魅力

長瀞オートキャンプ場は、女性オーナーならではの魅力と気遣いを至る所で見ることが出来ます。

まず珍しいのが、女子キャンパーさん専用のキャンプサイト‟ガールズサイト”です。1日2組限定ではありますが、隣のサイトを気にすることなく、女性と子供だけのキャンプを過ごせます。女子キャンパーさん向けのイベントをやることもあり、取材当日もイベントが行われていました。

安心できるキャンプ場を提供したいという想いから女子キャンパーさん専用サイトを作りました。女性一人や、子供を連れたママキャンパーさんに利用頂いています。けど実はもともとキャンプにくる女子は結構強い方が多いですよね（爆）
伊藤さん

その他挙げるとキリがない魅力がいっぱいあります。小さいお子さんを連れたキャンパーさんにとってありがたいベビーチェアー、シャワールーム、パウダールームにはもちろんドライヤーがあります。また消臭炭が置かれていたり、小さな気遣いがここでも見られます。

シャワールームの籠はなかなか気付けない便利ポイント。あるととっても便利。
さらにオムツ替え台、授乳スペース‟Milk BABY room”も。

おしゃれな看板たち

長瀞オートキャンプ場にきたらぜひ探してほしいのが可愛い看板たち。ちょっとした看板や置物に楽しさが詰まっています。こういった細かいところまで気遣いがされているので、キャンプ場全体として楽しい安心出来る雰囲気になるんですね。

長瀞オートキャンプ場のオートキャンプサイト

長瀞オートキャンプ場のオートキャンプサイトは、数種類から選ぶことが出来、お気に入りのサイトを見つけるのも楽しみの一つ。

もともと来た順番で好きなサイトを選んでもらうスタイルでやっていたんです。けど、早い者勝ちは意外に安心できないじゃないですか。なので、安心してきてもらえるように事前予約制に変えました。それぞれ特徴があるので、『今回はビューサイトに泊まったけど、次はプレミアムに泊まってみよう』とか、結構楽しみながらみなさんお気に入りサイトを見つけているようです。
伊藤さん

ビューサイト

ビューサイトは文字通り景色を楽しむサイトです。目の前の川と岩の景観は、長瀞ならでは。また地面は細かく砕かれた赤レンガが敷き詰められたインスタ映えするサイトになっています。広さも3段階から選ぶことが出来ます。

プレミアムサイト

プレミアムサイトはビューサイトの奥に位置するプライベート感抜群のサイトです。広さも十分あり、この景色を独り占めすることが出来てしまいます。

星空サイト・青空サイト

星空サイトと青空サイトは空が拓けたサイトで、夜の星空を楽しむことが出来るサイト。比較的青空サイトの方が木が残り、夏でも涼しく過ごせるサイトになっています。

森のサイト・ハンモックサイト

森のサイトは木々に囲まれた静かで涼しい林間サイ。ハンモックサイトはより木が多く、ハンモックをかけるのにベストな空間。

「キャンパーさんにわかりやすいようにしてきただけ」

各サイトそれぞれの魅力があり、キャンパーさんによってもお気に入りが違ってくる長瀞オートキャンプ場のサイト。実は伊藤オーナーが引き継いだ当初はバンガローの方が人気があったそう。各サイトの魅力を引き出したポイントを伺ってみました。

正直なところ特別なことをしてきたわけではないんです(笑)。ただ、せっかくキャンプ場運営をやるなら、自分が納得する方向でやりたいと思ったんです。初めの3年くらいはなかなかうまくいきませんでした。ビューサイトに赤レンガを敷いてみたり、少しでも楽しめるようにというのをやってきたつもりです。大雨で赤レンガが流れてしまったこともありましたね。それぞれのサイトに足を運んで、その魅力が何かを一から考えました。これまで単に色々なサイトがあった感じでしたが、その魅力をわかりやすく一言で表すサイト名にしたら、キャンパーさんも選びやすいですし、喜んでもらえるのではないかと考えてつけました。それと安心して静かに過ごせるように、キャンプ場のルールの見直しもしました。バンガローと違いテントサイトはやっぱり隣のサイトとの近さがあります。今ではマナーの良いキャンパーさんが増えて、安心してテントサイトで過ごしてもらえるようになってきました。
伊藤さん

長瀞オートキャンプ場のグランピング＆バンガロー

長瀞オートキャンプ場の宿泊施設は様々。気軽にお洒落キャンプを楽しめるということで、急激に人気が延びてきています。またグランピングのテラスからの景色は中々のものです。
またバンガローは、2～25人用まで40種類以上あり、中でも‟電車バンガロー”は子供の想い出づくりにお勧めです。各バンガローにはバーベキューコーナーが付いているので、キャンプ初心者でも安心して楽しめます。

その他施設紹介

管理棟・キャンプ用品レンタル

調味料やキャンプアイテムを買うことが出来る管理棟の売店。さらに初心者キャンパーにも喜ばれているキャンプ用品レンタルも充実しています。レイアウトもお洒落なので少し時間があるときに物色するのも楽しい☆また薪も女子キャンパーさんが持ち運べるサイズ感。

トイレ

場内10か所以上もあるトイレ。それぞれが清潔感がありますが、何より各サイトからの距離が近いのがうれしい。

炊事棟

こちらも場内いたるところにある炊事棟。これだけたくさんあるとメンテナンスも掃除も大変ですが、キャンパーさんにとってはすぐ近くに水場があるのはありがたい限り。

「仲間が支えてくれているキャンプ場」

女性オーナーだからこその魅力が随所に垣間見れる長瀞オートキャンプ場の今後について伺ってみました。

これからは、『女性キャンパーは長瀞オートキャンプ場だよね』というキャンプ場になりたいですね。とはいえ、特別高規格ということを目指すわけではなくて、自然とのバランスを保っていきたいと思っています。不便を味わうのもキャンプの魅力なので、手を入れ過ぎたものにしたくないです。
伊藤さん

「仲間のつながりに感謝しています」

キャンプ場をやってきて良かったと思うことはありますか？

『仲間』です。若いみんなに支えられてここまで盛り上がってこれたのはとても恵まれていると思っています。LINEやSNS、メールなどもこの歳になってみんなに教えてもらってやれるようになってきました。そして一人一人が真剣に向き合ってくれます。本当にここを良くしたいという想いが仲間も強いんです。みんなイベントやら何やらで少しずつ繋がってきた大切な仲間です。本当に人のつながりに感謝してます。
伊藤さん

そんな若者を引き付ける伊藤オーナーの魅力について、取材に同席していただいた405さんに聞いてみました。

若者に『できない』といえる‟素直さ”がみんなの心を掴んでいるんじゃないかと思います。大人になるとそういった部分ってなかなか正直に言えないですよね。自分一人で出来ることではないことを認識して正直に『出来ない』と言ってくれます。なのでみんな協力したくなってしまうんです。まあ悪く言うと『もうちょい頑張ろう（爆）
405さん

取材後記
各区画サイト、バンガローを回ってみるとそれぞれの魅力がどんどん見つかってきます。川の魅力ももちろんですが、自然と小さな気が配られているポイントを探し始めてしまい、それ自体が楽しくなるほどでした。そして女子キャンパーさんだけでなく、幅広いキャンパーさんの支持を受けているのは、405さんを始め、多くの若者に支えられて魅力が増してきたというのも大切なポイント。しっかりと意見を言い合い、それぞれの強みを生かした仲間達と、そこに魅力を感じたキャンパーさん自身が創ってきたキャンプ場というのが伝わってきます。
これからも正直者のオーナー、真剣に良くしようとする仲間達、そしてキャンパーさんたちによってより魅力が増していくのが楽しみになりました。
取材：2017年10月

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