オフシーズン前に見直したい寝袋のメンテナンス|保温力を落とさないための正しいケア
寝袋(シュラフ)はキャンプ道具の中でも、いちばん「体に近い」ギアです。一晩中使うため、汗や湿気、皮脂の影響を強く受けています。それにもかかわらず、テントやバーナーに比べてメンテナンスが後回しになりがちなのが寝袋です。
この記事では「寝袋 メンテナンス」をテーマに、オフシーズン前にやっておきたい寝袋特有のケア方法と、保温力を落とさずに長く使うためのポイントを解説します。
寝袋は「汚れ」よりも「湿気」が大敵

寝袋が劣化する最大の原因は、目に見える汚れではなく、内部に残った湿気です。使用後すぐに収納してしまうと、次のようなトラブルにつながります。
- 中綿が湿気を含んだまま固まり、ロフト(膨らみ)が戻らなくなる
- 保温力が落ち、同じ気温でも寒く感じるようになる
- 内部にニオイがこもりやすくなる
特にダウンシュラフは湿気の影響を受けやすく、オフシーズン前の扱い方が寿命を大きく左右します。
オフシーズン前に行う寝袋メンテナンスの基本
1. 使用後は「広げる」ことから始める

帰宅後、寝袋をすぐに収納袋へ戻すのは避けましょう。まずは室内やベランダで大きく広げ、内部の湿気を逃がすことが第一歩です。
- ファスナーを全開にして空気を通す
- 裏返して干すことで内側の湿気も抜けやすくする
- 直射日光は避け、風通しの良い日陰で行う
見た目が乾いていても、中綿の奥に湿気が残っていることが多いため、時間をかけて行うのがポイントです。
2. 洗うかどうかは「使用頻度」で判断する
寝袋は毎回洗う必要はありません。むしろ、洗いすぎは中綿を傷める原因になります。
- 数回使用しただけ → 乾燥と陰干しのみで十分
- 汗を多くかいた、ニオイが気になる → 洗濯を検討
洗う場合は、必ず洗濯表示を確認し、ダウン専用洗剤などを使いましょう。ダウンシュラフの場合は、乾燥工程に特に時間をかける必要があります。
3. 中綿の種類による違いを理解する
寝袋メンテナンスでは、中綿の種類を意識することも大切です。
- ダウンシュラフ:湿気に弱いが、正しく管理すれば軽くて暖かい
- 化繊シュラフ:扱いやすいが、圧縮や高温に弱い
どちらも共通して言えるのは、「潰した状態で長期保管しない」こと。これが保温力を保つ最大のポイントです。
