インタビュー取材
安達太良山の登山ベースキャンプにも利用されているふくしま県民の森フォレストパークあだたらは、山の麓の広大な森の中にありあます。とは言っても東北道からのアクセスもよく、道中巨大なスーパー、野菜直売所などもあり、地元の美味しい食材を買い込んでのキャンプを楽しむこともできます。
取材当日も迷子になりそうなほどの大きいスーパーでの買い物をしてからキャンプ場に向かいました。
フォレストパークあだたらは『森林(もり)との共生』をテーマに、自然を愛するキャンパーに支持され、2018年7月19日で20周年を迎えます。
森を快適に楽しく体験してもらいたい
ふくしま県民の森フォレストパークあだたらを運営管理しているのは公益財団法人ふくしまフォレスト・エコ・ライフ財団。利用促進担当の佐藤さんに色々とキャンプ場の魅力、森の魅力を教えていただきました。
お客様が森林とふれ合うことで、“自然との共生”について考え、体験する「フォレスト・エコ・ライフ」を推進することが私たちのミッションです。とはいっても難しいことではなく、訪れる皆さんが森の中で遊んだり、癒されたり、キャンプをしたり、環境学習をしたりすることで、普段の生活の中でも自然の大切さを意識してもらえるよう、そのお手伝いをしています。施設デザインも工夫をしていて、より森の広がりを感じてもらえるように建物の高さを低くする、星空が見やすいように照明の数を少なくし目線より高い位置の外灯を最小限にする、建物の外壁塗料は植物素材で石油成分が森に流れないようにする、場内は自然に溶け込むシックな“色”で統一する、小動物が流されないように園路の側溝は無くし透水性舗装にするなど、自然への負荷を最小限にしています。森の静けさを楽しんでもらえるよう音楽・ラジオ・テレビも禁止、夜間パトロールもしっかり行うので、宴会キャンパーさんには向かないキャンプ場かもしれませんね(笑)。佐藤さん
女性や初心者キャンパーにも利用しやすい“高規格キャンプ場”でありながら、豊かな自然環境を活かし、気付いたら自然に溶け込んでいる不思議な感覚を実感してもらえると思います。
森の小さな魅力に気付けるキャンプ場
とにかく静かに過ごせるからここが好きというキャンパーさんも結構いらっしゃいます。動物の息吹も感じられるほど静かで、森の散策をしていると、運が良いとキツネ、テン、野ウサギ、リスなどを見ることもできます。佐藤さん
本当に本当にこの上なく静か!ここまで静かだと普段気にしない‟自然の声”が聞こえてきます。風が抜ける音、鳥の鳴き声はもちろん、鳥が羽ばたいていく瞬間の勢いまでも感じることが出来そう。何だろう、この包まれた感じは???
子供たちと森林を散策していると、色々なことに気付けます。‟木の赤ちゃん”を探してみると、松やどんぐりの木は小さくても同じ形なんだということに気付いたり。そういった普段目を向けないミクロの世界を見ていると自然を大切にしたい、という気持ちが湧いてきたりしますし、家に帰って近くの公園に行ったときなどにも意外に自然が身近にあることに気付けたりします。佐藤さん
お話を聞いてから足元を見てみると確かに‟小さな松”を発見。動物だけでなく、森林の小さな魅力にも気付けるようになるのがフォレストパークあだたら。
ひと昔前の自然観察会とは違って、今の“森のガイド”は自分たちで森の魅力を見つけ出していく、そんなスタイルに変化しています。例えばきれいなお花や変わった形の木を見つけたら、自分たちでその植物に名前を付けてみよう、という感じです。名前を付けるには花や木をじっくりと観察し、その特徴を表現する言葉を考えて、たくさんのMyフラワー・Myツリーを見つけて下さいね。冬の散策では、雪に残った動物の足跡を探して、そこで起こったであろう自然のドラマを皆さんと一緒にイメージします。ノウサギの足跡の近くにキツネの足跡、少し離れた木の幹にはリスの足跡と松ぼっくりの食痕(しょっこん)が!想像するだけでドキドキするでしょう!佐藤さん
地形を活かし、贅沢過ぎる広さのサイト
全部のサイトが自然の地形を利用して作られています。佐藤さん
各エリアの特徴を活かし、ほぼ全部違う形をしているので、お気に入りのサイトを見つけるのも楽しいかもしれません。
個別サイト(C・D・Eエリア)
個別サイトは、一つ一つのサイトが木や丘で区切られているため、プライベート空間がしっかりと保たれていてます。
キャラバンサイト(Bエリア)
一番広い区画サイトがキャラバンサイト。
キャンピングカーにも対応したサイトで、テント2張りも可能。もちろんこちらもプライベート感抜群です。
グループサイト(Fエリア)
区画サイトの中では小さめですが、隣とつながれるようにフラット、もしくは段差のみで区切っているのがグループサイト。
空が拓けているのもあり、星空も。フォレストパークあだたらの一番奥に位置するキャンプサイトです。
フリーサイト(Gエリア)
何より景色が魅力のフリーサイト。広さは何と2500㎡!明確に区切ってはいませんが、左半分が日帰りエリア、右半分が宿泊エリアとなります。特に人気はフリーサイト奥にある高台スペース。
フリーサイトは電源はありませんが、とにかく開放感を味わいたいキャンパーさんにお勧めです。
サテライトハウス
サテライトハウスはキャンパーさんのための共有施設。トイレ、流しはもちろん、シャワールームもついています。
各サイトのブロックごとに全5棟あるのでとっても便利(※Fサテライトの炉は使用不可)
とにかく広々使えるのがフォレストパークあだたらのサテライトハウス。壁一面の鏡があるトイレの洗面台も女性キャンパーさんに喜ばれています。もちろんバリアフリータイプのトイレも。コインランドリーもあるので、連泊する際にも重宝されます。
森に溶け込むコテージ
高台の眺望を活かした位置に立つコテージ。空から見ると、各コテージがランダムに建っていることがわかります。それぞれの地形を活かしつつ、プライベートも保つように建てられています。
コテージは5人用、7人用2階建て、7人用平屋の3つのタイプがあり、人数に合わせて選ぶことが出来ます。また、車イスの方でも安心して過ごせるよう、5人用、7人用ともにバリアフリータイプもあります。
エクステリア
コテージの外壁の色にもこだわりがあります。この深い藍色は、夕暮れの安達太良山の山肌の色をイメージした自然に溶け込む落ち着いた色。
そして塗料は石油成分のペンキではなく、年月を経て少しずつ森に流れ落ちても自然に害が及ばないよう植物素材のオスモカラーを使用しています。
このベランダから森を見る時間がまた格別です。
インテリア
冬の時期は薪ストーブが使えるので、家族団らんの時間にもってこい。メインのリビングを中心に、和室、ベッドルームがあり、3世代家族での利用にも喜ばれています。
キッチン、トイレ、お風呂
各コテージには電子レンジ、冷蔵庫の他、人数分の食器、調理器具もあり、必要なものは基本的にすべて準備されています。お風呂は窓を開けて森を独り占めしながら入るのがベスト。
常設トレーラー|憧れのエアーストリーム
トレーラー好きでなくても一度は泊まってみたいエアーストリームのトレーラーハウス!温泉があるビジターセンターから一番近い位置にある常設トレーラーエリアは、フォレストパークあだたらのシンボルの一つ。
各区画の広さも含めてとにかく圧巻です。
エアーストリーム社製トレーラーハウス
アメリカからやってきたエアストリーム。全長34フィートのリミテッド。天気の良い日には、車体に反射した光がまたカッコイイ!インスタ映えです。
外でバーベキューも楽しめるように、テーブルと椅子も常設。更にトレーラーハウスの隣にテントを張ったりタープを張ったりするスペースもキッチリ広々確保。グループや2家族での利用にも。
豪華な設備
トレーラーハウスの中もとっても豪華!
トイレ、シャワールームの他、エアコン、冷蔵庫、電子レンジ、テレビなどなど。
ベッドルームに入れば海外気分に浸れますよ。
ビジターセンター
ビジターセンターは、受付「フロント」の他、キャンプ用品・ネイチャーグッズ・ご当地食材の販売や様々なレンタル品がそろっている「ショップ」、森を眺めながらゆったりと食事やドリンクを楽しめる「森のカフェ」、自然やアウトドア関連の本を自由に読める「ライブラリー」、研修やイベントなどに利用できる多目的ホール「レクチャーホール」など、とっても施設が充実しています。
驚きのお肌つるつる効果、フォレストパークあだたらの温泉
そして何よりお勧めは、お肌がツルツルになる温泉です。初めて入る人は誰でも驚く滑らかなお湯は入浴中からお肌がツルツルになるのを体感できる泉質で、“美人の湯”ナトリウム炭酸水素塩泉。内風呂ももちろん気持ちよいですが、露天風呂がまた最高です!この森を眺めながらの温泉はなかなか他で味わうことが出来ません。
自然や体に優しい石鹸成分のシャンプー、ボディーソープも備え付けられていて、こういった小さいところからも『森林との共生』を感じられます。
サウナは、よくある高温タイプではなく、遠赤外線効果で身体を芯から温めてくれる低温タイプ。室温が60℃前後なので、女性やお子さんにも人気です。その他、貴重品ロッカー、コインランドリー、ドライヤー、、女性用脱衣所にはベビーベッドも置かれています。
ショップ
ショップには福島県産の『人と環境に優しい商品』が多数売られています。地元産の野菜やアイスや加工品、更に事前予約で、肉卸店直送のBBQ食材セット、人気パン屋さん特製の朝食サンドイッチなどの食材・弁当・オードブルなども注文できるので、キャンパーさんにも重宝されています。またお風呂にある石鹸成分のシャンプーなどを買うことも出来ます。
レクチャーホール
企業研修やイベントなどにも使用されるレクチャーホール。
会議室にこもってではなく、緑を感じながらの研修など最近話題になってますよね。フォレストパークあだたらのレクチャーホールは窓が大きく天井も高いため、開放感から発想がいくらでも沸く研修が出来そうです。
貸切利用が無い日は、無料の室内遊び場「もりのキッズプレイス」になり、子どもたちに人気です。
カフェ
森のカフェは様々なシーンで利用されています。
チェックイン前のキャンパーさんの昼食に、温泉後の一息に、研修の休憩タイムに。。。
フォレストパークの飲料水は、安達太良の山々が育んだ天然水で、お水一口飲むだけでもここの自然を感じることが出来ます。
ロビー、ライブラリー
森のことを色々学べる本が揃うライブラリー。天気が悪くても子供たちが楽しめるちょっとした遊びスペースなどもあります。
トレーラーの模型は、イベントの講師をお願いしているおもちゃ屋さんがオリジナルで作ってくれたものだそう。ジオラマ内の「ドクロマーク」を探してみよう!
「またくるよ!」「またきたよ!」
日々忙しく過ごしていらっしゃるお客様が、森の中でゆったりとくつろいでいる様子や、お子さんと川で楽しく遊んでいる光景を目にすると、とても嬉しくなるんです。そんなお客様に、『またくるよ!』『楽しかったよ!』とか『またきたよ!』って声をかけて貰えるのが一番幸せです。
少し残念なのは、沢山のご利用がある繁忙期には、チェックイン・アウトの際に出来るだけ皆さんをお待たせしないように心掛けているので、お客様とゆっくりとお話が出来ないことです。その分、スタッフ一同、笑顔でお迎え・お見送りしています。佐藤さん
最後に佐藤さんの夢について伺ってみました。
オープン当初からずっとご利用頂いているリピーターさんが沢山いらっしゃいます。そんな皆さんに『うん、変わってないね!』と安心頂けるゆったりした森の時間と、『おっ、良くなった!』と感じて頂けるサービス・プラン・イベントを提供し続けるキャンプ場にしていきたいですね。初めてお越し頂いたお客様にも、また来たいと思って頂けるように!
あと、個人的には自分もゆっくりキャンプがしたいですね(笑)どうしても仕事目線になってしまうので、キャンパーの一人として存分に楽しみたいですね(笑)佐藤さん
取材後記
気付いたら森の中に自分自身がどっぷりと溶け込んだ不思議な感覚になるフォレストパークあだたら。佐藤さんに色々と森のことを伺っている中で、普段見えていなかったものが五感を通して見えてくるようになりました。
夜温泉に向かう途中の圧倒的静けさ、星空の綺麗さ、段々に暗闇に慣れてくる自分の目、色々な驚きがありました。
設備やキャンプ自体の魅力はもちろん、更に深くシンプルにキャンプの魅力を感じられるようになった気がします。
そして何故自分がキャンプが好きなのかもわかってきた気がします☆
難しく考えるものではないかもしれませんが、少し視点を変えてキャンプとキャンプ場の周りに目を向けて、キャンプの良さと楽しさをより感じることが出来るようになりました。
基本情報・クチコミ
福島県安達太良山のベースキャンプにも使用されるふくしま県民の森フォレストパークあだたら。設備の充実度が圧倒的ながら、キャンプ場のコンセプト「森林との共生」という言葉通り、自然に溶け込み、驚くほど静かに過ごすことが出来るキャンプ場です。 コテージの色は、夕暮れの安達太良山の山肌をイメージした森の緑に...
福島県安達太良山のベースキャンプにも使用されるふくしま県民の森フォレストパークあだたら。設備の充実度が圧倒的ながら、キャンプ場のコンセプト「森林との共生」という言葉通り、自然に溶け込み、驚くほど静かに過ごすことが出来るキャンプ場です。 コテージの色は、夕暮れの安達太良山の山肌をイメージした森の緑に...